7月度.png七月第3土曜日は恒例となった『高萩囃子』の日。日光脇往還高萩宿 天王様のつけ祭りとして長い歴史を誇るイベントが復活し、11回目の夏祭りです。心配されるのが、梅雨明けの遅れている今年の天候。takahagibayashi5.jpg土砂降りが収まった前日の夜に山車を会場に引き出し、祭り当日は終日曇天ながら、蒸し暑くて夏祭りには最高の一日でした。若手の中心だったメンバーは中学生になり、新たに小学生が加わって、囃子連の構成員は質・量共に充実。おかめ・ひょっとこ・外道・獅子・狐といった出し物も複数の演者が、異なる衣装で踊りを披露。楽しみが増えました。昔から変わらないお囃子を聴いていると、子供の頃に観た祭り風景がよみがえります。takahagibayashi4.jpgそれにしても来場者の多い事。三連休の初日でもあり、子供の姿が目につきます。彼等が成長し、再びお囃子のリズムに触れ、今日の事を思い出す日がくるかもしれません。

 

 

七月七日 二番茶が終了。平成28年度の新茶が完結です。今期トピックスの一つが白茶。昨年夏芽で試作したのを受け、春芽による白茶に挑戦。昨年の試作で感じたこと・・・ 芯は白銀色になり、葉は緑色を維持することが可能。茶葉の緑色を生かすことができれば、日本緑茶用品種の特性を生かした白茶ができるのではないか ? ・・・ という事で、あえて一芯三葉摘みを行いました。 

摘採日は四月末。『ゆめわかば』の極めて若い芽を普通摘み。萎凋の進行度合いを考慮し、陽光を避けるため、茶園に日が差す午前9 時半までに手摘みを完了。昼夜の気温変動が少ない場所を選び、足掛け3日、59時間に及ぶ静置萎凋を実施。萎凋度33%(水分減少率67%)まで萎凋する事ができました。hakucha.jpg

 

 

気温に注意を払い、茶葉の渇変が始まる前に萎凋を切り上げたので、葉は鮮やかに緑色を保っています。一方 本家本元の中国大葉種に比べ、芯の部分は細く華奢なイメージ。hakucha2.jpg良くも悪しくも日本的な外観。水色は淡い琥珀色。透明度が高く、濁りが皆無の抽出液はそれだけで美しい。それでも昨年の試作品より濃度が高いように思われます。口に含めば、苦渋味から完全に開放された、このうえなく優しい味・・・舌に障る刺激が全くない、素直で濃厚な味・・・ 全く揉まない茶の素晴らしさ。そして天日萎凋とは異なる、雅な(?) 萎凋香。太陽光を利用した萎凋とは、構成される香気成分がかなり違うのでしょう。

 

 

萎凋=水分の蒸散とすれば、萎凋工程(蒸散方法)でこんなにも香気が変わるものなのか!   萎凋香は茶に秘められた香気の発現であり、萎凋を知ることで、茶の持つ無限の可能性にふれる思いです。

 

狭山茶専門店 備前屋 清水敬一郎